一八九四年から一九〇一年までの八年間は、シャーロック・ホームズは、とて
も多忙な身であった。
この八年間に、公の事件で重大なものは、一つとしてホームズのところに、
持って来られなかったものはなかったし、またその外(ほか)に私的の事件で扱ったもの
無数で、その中でも、実に錯綜した難問題で、
颯爽(さっそう)たる役目をやったものもたくさんあった。この雑多の仕事の中では、
もちろんその大部分は、赫々(かくかく)たる成功を収めているのであったが、しかしまたその二三のものでは、全く避けがたい、不可能な失敗に終ったものもあった。
こうして無数の興味ある事件の記録を、私は山積するほどたくわえてあるし、
またその中の大部分には、私自身も関与しているので、まずどれから読者諸君の